白内障について

白内障のイメージ

白内障は人間の目においてカメラのレンズに当たる、水晶体が濁ってしまうことによる視覚の障害です。発症すると以下のような症状が現れます。

●白内障で現れる症状の例

  • 視界に靄がかかったようになる。ものが白くかすんでみえる。
  • 明るいところにもかかわらず、薄暗く見える
  • 逆に明るいところでまぶしさを感じ、ものが見づらい
  • 夜間の運転で対向車のライトや街灯の光、信号などがまぶしくて見づらい
  • ものが二重三重に見える
  • 急に視力が落ちた
  • 眼鏡やコンタクトの度数を変えても視力が改善しない

水晶体は水分とたんぱく質によって構成された透明の組織ですが、何らかの原因でこのタンパク質が変性し、光の通過に支障が出てしまうことで、上記のような様々な症状が現れます。

白内障の原因について

水晶体が濁ってしまう原因としては、第一に加齢が挙げられます。現在、70歳以上の高齢の方では5人に4人が白内障に罹っていると言われています。これを特に「加齢性白内障」と呼びます。喫煙や紫外線が危険因子になるとも考えられていますが、老化現象の一つですので、高齢になるほど発症しやすく、個人差はありますが、誰しも発症する可能性があります。

この他、ぶどう膜炎、緑内障、眼内腫瘍、網膜剥離など、他の眼の疾病が原因となり発症する「併発白内障」、アトピー性皮膚炎や糖尿病など全身の疾病に合併する「全身疾患に伴う白内障」、ステロイドの長期投与などで引き起こされる「薬物性白内障」などがあります。
さらに目のケガや放射線への被曝、赤外線などの熱エネルギーの照射も白内障の原因となる場合がありますし、先天性によるものもあります。

白内障の検査、治療について

水晶体の濁り方は人それぞれですので、白内障の症状も人によって出方が異なります。「なんだか物が見づらい」「最近、視力が落ちたような気がする」というような場合は、お気軽にご受診ください。白内障の検査としては、屈折検査、眼底検査、さらに細隙灯顕微鏡検査とよばれる、目に光を当てて水晶体の濁っている部分や程度を調べる検査等があります。基本的に非接触型の検査で、体に痛みや負担はありません。

水晶体は一度濁ってしまうと、薬物治療などでも元に戻すことはできません。まだ症状が軽い段階で、日常生活に支障をきたさない程度であれば、点眼薬や内服薬で進行の速度を抑えることが可能ですが、タイミングを見て、手術をすることも必要になります。たとえば車の免許が更新できない、日常生活で物が見づらく不便になったり、つまずくなどの危険を感じるといった場合は、手術による治療を考えた方が良いでしょう。

白内障の手術は濁った水晶体を取り除き、かわりに眼内レンズを挿入するというものです。日帰りでも可能な手術で、当クリニックでは各種検査により手術したほうが良いと診断し、患者様が希望される場合は、連携する専門の医療機関をご紹介いたします。